丙午（ひのえうま）とは？迷信とその影響や周期と干支の仕組み

丙午（ひのえうま）は、古来より日本で特に強い影響力を持つ干支の一つです。

この年に生まれた女性に対する迷信や、それが社会に及ぼした影響は歴史的に広く知られています。

丙午の背景には、火のエネルギーを象徴する「丙」と情熱的な「午」の組み合わせによる強烈なイメージがあります。

今日は、丙午にまつわる迷信や社会的な影響、さらには干支の仕組みについて詳しく解説します。

丙午とは何か

丙午（ひのえうま）は、干支の一つで、十干の「丙」と十二支の「午」が組み合わさった年を指します。

干支は古代中国で発祥し、日本にも伝わったもので、時間の流れや季節を表すために用いられました。

十干と十二支が組み合わさることで、60年周期の「六十干支」が形成されます。

この六十干支の中で、特に「丙午」は古来から日本において特別視されてきました。

「丙」は火の性質を持ち、十二支の「午」は馬を象徴しています。

丙午の年は、特に火の力が強まる年とされ、その激しいエネルギーが人々の間で恐れられてきたのです。

日本では、丙午に生まれた女性は「気性が荒い」「夫を殺す運命にある」などといった迷信が古くから存在しました。

この迷信が強く信じられた結果、丙午の年には出生率が低下するという現象が歴史的に何度も起こっています。

特に1866年（慶応2年）の丙午の年には、この迷信が広く信じられ、多くの家庭で出産が避けられたとされています。

この迷信の背景には、「丙午の女性は情熱的で制御不能な性格を持つ」という考えがありました。

丙午に対する恐れは、社会全体に深く根付いており、家族や地域社会においても大きな影響を与えてきました。

丙午に関する迷信は、日本の江戸時代に特に強く信じられていました。

この時期、農業や商業が生活の中心であり、家族や社会全体の安定が重視されていたため、丙午の女性に対する警戒感は非常に強かったのです。

江戸時代の記録には、丙午の年には妊娠を避けるために計画的な出産調整が行われたという記述が見られます。

さらに、丙午に対する迷信は、明治維新後の近代日本においても根強く残り、一部の地域では20世紀に入ってからも影響が続いていました。

現代においても、丙午の年に生まれた女性が特別視されることは少なくありませんが、その見方は次第に変わりつつあります。

丙午は、60年周期で巡ってくる年です。干支は「十干」（甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸）と「十二支」（子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥）が組み合わさり、六十種類の干支が形成されます。これを「六十干支」と呼びます。